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(^ω^)雑談するお2nd season
- 1:内藤2023/01/30(月) 18:39:57
- 雑談するお(^ω^)の次スレです
- 200:内藤2023/02/01(水) 14:10:26
- Google使ってる人ってちょっと可笑しいよ
Googleなんて使ったら履歴を見られるから……
やっぱ使うならDuckDuckGoでしょう(’・ω・´)m9
- 201:内藤 Brigadier General2023/02/01(水) 18:18:31
- 彡(゚)(゚)ワイはアドルフヒトラー 将来の大芸術家や
- 202:内藤 Brigadier General2023/02/01(水) 18:21:29
- オーストリアの片田舎 《リンツ》
(´・ω・`)(僕はアウグスト・クビツェク)
(´・ω・`)(家具職人の息子で父さんの手伝いをしているんだ)
(´-ω- `)(でも本当は子供の頃からやってる音楽の道に進みたいんだよ…)
- 203:内藤 Brigadier General2023/02/01(水) 18:23:20
- (´^ω^`)「お疲れさん ほれ今月の給料だ」
(´・ω・`)「ありがとう」
(´^ω^`)「また、オペラを見に行くのか?」
(´・ω・`)「う、うん」
(´^ω^`)「そうか…まぁ余った時間で何をするかはお前の自由だ」
【劇場】
- 204:内藤 Brigadier General2023/02/01(水) 18:24:06
- (´・ω・`)(毎日、機械的に作業をする毎日)
(´・ω・`)(でも音楽家になりたいなんて口が裂けても言えない…)
(´・ω・`)(僕の人生、こんなのでいいのかなぁ…)
(´・ω・`)(楽しみと言えば貰ったお金でオペラを見に行く位…)
(´・ω・`)(まぁ、小遣い程度だから立ち見しかできないんだけどねw)
- 205:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 18:24:59
- (´・ω・`)(あの柱の下が秘密の特等席なんだよね)
彡三三三
(´・ω・`)(あちゃ、誰かに先を越されてる)
(´・ω・`)(しゃあない、こっちの壁にもたれて見るか)
̶淫̶夢̶
(´・ω・`)(今日は「真夏の夜の夢」か)
(´^ω^`)(ああ〜いい。いい! どんなに疲れていてもこれでぶっ飛ぶなぁ)
(´・ω・`)(本当に…芸術からは強い勇気を貰えるよ)
(´・ω・`)(…柱が少し邪魔だなぁ)
(´・ω・`)(前もあの人に場所取られたような…?)
- 206:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 18:25:22
- 彡三三三
僕はこのライバルを観察した
彼はひときわ青白く華奢な青年だった
僕と同じように、目を輝かせて舞台に夢中になっていた
(´・ω・`)(いつもぱりっとした身なりでどこか控え目)
(´・ω・`)(明らかに僕よりいいとこの家の子みたいだ)
ブーーーーーーーーー
(´・ω・`)(休憩だ… あぁもう半分か ずっとこの時間を楽しんでいたいよ)
(´・ω・`)(んーでも今日の公演は音楽と演出はいいけど……)
彡三三三「歌手が微妙やな」
- 207:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 18:26:27
- (´・ω・`) !
それが会話のきっかけだった
(´・ω・`)「そうそう! 歌手が台無しにしてるよね!」
彡三三三「せやせや! 初めはおっ!って思ったんやがなぁ」
これを切っ掛けに僕らは幕間、公演の不満点や評価する所について話すようになった
彼とは恐ろしく意見があい、お互い喜びを覚えた
僕は彼の飲み込みに驚かされた! 理解力の点では間違いなく僕より優れていた
初めに会話した日、1904年の11月。それ以来僕らの付き合いが続いた
そしてある公演の後、僕は彼と一緒に帰った。その時、わかり際に彼は自分の名前を名乗った。
- 208:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 18:27:05
- 彡(゜)(゜)
「アドルフ・ヒトラー」と
学校
その単語が、僕の体験した、彼の最初の怒りの爆発だった
彡(゜)(゜)「ええかクビツェク 学校なんてなぁ、なまくら者を作る場所でしかないんや」
(´・ω・`)「アドルフは先生が嫌いなんだよね」
彡(゜)(゜)「当たり前や! そんな話より、今日の「魔弾の射手」について語ろうや」
(´・ω・`)「まぁまぁ、そうせっかちにならないで」
彼は僕の仕事を煩わしい傷害と思っていた
彡(゜)(゜)「また仕事かいな 」
(´・ω・`)「アドルフは何か仕事をしてないの」
彡(。)(。)「……」
- 209:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 18:28:37
- (´・ω・`)??
彡(●)(●)「冗談やない!」
彡(゜)(゜)「ええわ!今日はトコトン付き合ったるで」
彡(゜)(゜)「クビツェク、お前の言っとる仕事ってのはな、一言で言えば」
彡(゜)(゜)「パンを得るための仕事や」
(´・ω・`)「えぇ…」
(´・ω・`)(きっと、アドルフは裕福な家の子なんだろうな)
(´・ω・`)(考えられる線としては…親の遺産? 学生?)
(´・ω・`)(うーん…だったら何で僕みたいな家具職人の子と友達に選んだんだろ)
(´・ω・`)「そういえば、僕も学校の成績は良くなかったなぁ」
彡(゜)(゜)「…勉強はちゃんとせなアカンで」
(´゜ω゜`)「えぇ!?」
(´・ω・`)(矛盾してるよアドルフ…君のことが全然解らないよ…)
(´・ω・`)(こんな風にインキャで少し夢見がちな僕)
(´・ω・`)(こんなんだから相手の立場に感情移入できて順応性がある)
彡(゜)(゜)
- 210:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 18:29:26
- (´・ω・`)「えぇ…」
(´・ω・`)(きっと、アドルフは裕福な家の子なんだろうな)
(´・ω・`)(考えられる線としては…親の遺産? 学生?)
(´・ω・`)(うーん…だったら何で僕みたいな家具職人の子と友達に選んだんだろ)
(´・ω・`)「そういえば、僕も学校の成績は良くなかったなぁ」
彡(゜)(゜)「…勉強はちゃんとせなアカンで」
(´゜ω゜`)「えぇ!?」
(´・ω・`)(矛盾してるよアドルフ…君のことが全然解らないよ…)
(´・ω・`)(こんな風にインキャで少し夢見がちな僕)
- 211:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 18:32:18
- (´・ω・`)(こんなんだから相手の立場に感情移入できて順応性がある)
彡(゜)(゜)
(´・ω・`)(対して彼は極めて短気で激しい気性)
(´゜ω゜`)(さっきみたいに唐突に怒り狂うことがしばしば!)
(´・ω・`)(こんな正反対な僕らは芸術という共通の趣味で繋がっている)
(´・ω・`)(はっきり言えば、僕が聞き役、受け手で彼が話す役)
(´-ω-`)(そして僕らはお互い、孤独だったんだ…)
(´・ω・`)(彼にとって、僕は只の聞き役、お供に過ぎなかったのかも)
(´・ω・`)(よく解らないけど、ただ一つ言えることは 僕は…彼に必要とされていたんだと思う)
ある日
- 212:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 18:32:54
- 彡(゜)(゜)「クビツェク、迎えにきたで〜」
(´・ω・`)「うーん、ちょっと待って」
彡(゜)(゜)「はよしいや 始まってまうぞ」
(´・ω・`)「ごめんごめん、木屑の掃除が大変でさ」
産業の発展はそこそこ進んでいるものの、未だ田舎町というレッテルは外れな----アドルフは人気の少ない道をよく使っていた
彡(゜)(゜)「クビツェク…ワイはいつかこの町から出ていくで」
(´・ω・`)「どこに行くの?」
彡(^)(^)「勿論ウィーンや!」
(´・ω・`)「羨ましいなぁ、僕m」
- 213:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 18:33:13
- ( ゚∀゚)彡「ん? アドルフ! アドルフじゃないか!」
(´・ω・`)(ん…上品そうな人だな 僕らと同じ16歳位…アドルフの元同級生かな?)
( ゚∀゚)彡「最近どうだい? 相変わらず痩せてるねぇ!」
彼はアドルフの上着を親しげに触って、語りかけた
(´・ω・`)(アドルフは礼儀ただしく接するんだろうな 劇場での時みたいに)
(´・ω・`)チラッ
彡()()
(´゜ω゜`)!!
僕は何度か経験済みだったので、アドルフ表情が次にどう変化するか予測できた
彡(●)(●)「そんなこと、おまえには関係ないやろ!」
彡(゜)(゜)「行くでクビツェク!」グイッ
(´・ω・`)「えっ、ちょ、いいの…?」
- 214:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 18:33:51
- (( ゚∀゚))彡「あわわわわ」
(´-ω-`) (ああ…なんというか…御愁傷様…)
劇場前
彡(゜)(゜)「あいつは未来の木っ端役人や!」
(´・ω・`)「彼になにかされたの…?」
彡(゜)(゜)「ふん!」
彡(゜)(゜)「ワイは、あんなつまらない奴と一緒のクラスやったんや!」
彼が落ち着くのに、暫くかかった
それともう1つの出来事があった 僕のヴァイオリンの先生が亡くなった時の事だ
教会
彡(゜)(゜)「クビツェク、まぁ元気だしや」
(´;ω;`)「アドルフ…君も先生を弔いに来たんだね…」
彡(゜)(゜)「ん… まぁ… せや」
(´;ω;`)?
- 215:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 18:34:51
- 後になって訪ねてみると、やはり彼は先生を知らなかった
理由を問いただすと、
彡(゜)(゜)「お前が他の連中と一緒にいて、くっちゃべっていることに我慢ならなかったんや」
(´・ω・`)「そ、そう…」
実際、アドルフと知り合って以来、彼は僕の自由時間をやたら縛りたがっていた
つまるところ、僕達の友情のためには、役人気質をよく思わないでいることが是非とも必要だった
彡(゜)(゜)「役人? あんなもん地位をちらつかせて威張る奴よりも家具職人の方が立派なもんやで 気にすんなや」
(´・ω・`)(役人の子供なのに役人が嫌いなんて…何かあったのかな…)
(´・ω・`)「あのさ、アドルフは将来何になりたいの?」
- 216:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 18:37:29
- 彡(゜)(゜)「ん?んなもん芸術家に決まっとるやろ おまえと一緒や」
(´・ω・`)「あ……」
(´^ω^`)「うん、そうだよね! 僕も本当は家具職人なんかじゃなくて音楽家になりたいんだ!」
彡(゜)(゜)「今更何を言っとるんやお前は…変な奴やなぁ」
そういうわけで、僕は彼の友達になるために必要な条件を
全て満たしていた訳だった
僕は彼の級友とも役人気質とも無縁で、ただひたすら芸術に明け暮れていた
(´・ω・`)(僕は音楽家になる! アドルフも芸術家になる!)
(´^ω^`)
お互いの性格は正反対、でも傾向は同じことで僕らは結びついた
アドルフは、自分の言いたいことをぶつけられる「ある人間」を
群衆の中から見つけただけなのかもしれない
でも、ただ一つ言えることは劇場の出会いから
ウィーンでの貧乏生活の途中まで、アドルフにとって僕こそがその
「ある人間」だったことは確かだ
クビツェクの家
(´・ω・`)「まぁ汚いけどゆっくりしていってよ」
彡(゜)(゜)「お邪魔しますやで〜」
- 217:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 18:38:16
- 彡(゜)(゜)「って誰もおらんやんけ」
(´・ω・`)「ああ、母さんたちは写真館に行くってさ」
彡(゜)(゜)「ほーん…ワイは写真が嫌いや」
(´・ω・`)「でも学校とかでは撮らされたでしょ」
彡(>)(<)「あれは苦痛やったで〜! なんであんな馬鹿共とガン首揃えた写真残さなならんねん」
彡(゜)(゜)「それにギジナジウムでの肖像画の授業! 組まされた奴が下手くそさといったらそら酷かったで」
彡(●)(●)「あいつに今度あったらあの絵燃やしたる!」
(´・ω・`)「そういえばアドルフは人物画を描かないね」
- 218:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 18:38:33
- (´・ω・`)「風景画描いてるとこしか見たことないよ」
彡(゜)(゜)「ワイはいつかウィーンへ行くからな その前にここの風景をなるべく書き留めておくんや」
彡(゜)(゜)「この田舎町は橋やら街道やらはええがなぁ、建築物がアカンな!」
彡(>)(<)「昔ウィーンに行った時に見た劇場の外装といったらそら凄かったで〜!」
(´・ω・`)(始まった)
彡(゜)(゜)「でもここは田舎や!そう豪華絢爛様式兼備な建物は作れん!」
彡(゜)(゜)「そこで田舎特有の自然や!なんといってもドナウ川の眺めやな!」
(´・ω・`)(くるぞ…)
彡(゜)(゜)「この川は、古きゲルマン伝説の一行がフン族の国に向かう際に使われたんや!」
- 219:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 18:39:12
- 彡(>)(<)「ブルグントの船団や!あ〜!たまらん!」
彡(゜)(゜)「よっしゃ!これから遠足にいくで!」
(´・ω・`)「ええ!? そんな急に…今日は劇場行かないの?」
彡(゜)(゜)「予定変更や! 背広じゃ動けんから着替えて来るで!」
(´・ω・`)「お弁当作るから待ってて」
彡(゜)(゜)「んなもんいらんいらん パンと牛乳だけで十分や」
リンツの北 ミュールフィアテル
✴︎(´@ω@`)✴︎「ア、アドルフ、少しキツくない…?」
彡(゜)(@)✴︎「そ、そんなんじゃ屈強なゲンマンに、なれ、なれんで…ハッ…
彡(゜)(゜)「お、丘陵が見えたで! あそこからの眺めが最高なんや!」
ポツ…ボツ…ザアアアアアア
(´゜ω゜`)「あーあ降ってきたよ…」
彡(゜)(゜)「ここまで来たら引き返せん! それに山の天気は変わりやすいんや すぐ晴れるで」
- 220:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 18:39:54
- (´・ω・`)(うーん、あんながりっポチな体でよく備えしないで山登りできるよ…)
彡(゜)(<)「ゲホッゲホッ」
(´・ω・`)(それに肺も弱いみたいだし…)
ザァー
(´゜ω゜`)「ああ…本格的に降ってきた…」
川(川)(川)川「うーん、自慢の前髪がびしょ濡れや」
(´・ω・`)「アドルフは前髪いつも垂らしてるよね せっかくの大きい目が隠れて勿体ないよ」
川(川)(川)川「せやろか」
彼の顔は、鼻筋が通っていて、すっきりした顔立ちだった
川(゜)(川)川「濡れた髪うっとおし杉ィ! オールバックにしたろ!」
額は広く、突き出ていて、その他鼻、口はわりと平凡 しかし
- 221:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 18:40:19
- (´・ω・`)(なんて表現していいか解らないけど、アドルフほど大きい目をした人は見たことないよ)
川(●)(●)「お、視界良好やんけ」
(´・ω・`)「オールバックは禿げるよ」
川()()「ファ!?、アカンやんけ…ワイの家系は禿げ遺伝子もっとるんや…」
数十分後
(´@ω@`)「ヒイ、ヒイ…」
川(゜)(゜)「ハッ…ハッ……」
(´・ω・`)「あ…」川(゜)(゜)
(´・ω・`)「や、ハァ、やっと……」
川(゜)(゜)「頂上や!」
雨雲はいつの間にか消え、町の反対側までが一望できた
彡(゜)(゜)「お! リヒテンハーク城が見えるやんけ! スケッチしたろ!」
(´・ω・`)「よくそんなに体力あるね…体は僕より貧弱なのに…」
彡(゜)(゜)「ワイは毎日歩いとるからな ウォーキングはワイのスポーツや」
彡(゜)(゜)「お、見ろやクビツェク、ゲオルゲン村も見えよる 農民戦争時代の遺物探しに今度行ってみるやで」
(´・ω・`)「えー…今更そんなの残ってないでしょ」
- 222:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 18:41:07
- 彡(゜)(゜)「一度行けば解るで かつての偉大な闘いの遠い記憶が生き生きと残っとる」
この日改めて解ったことは、彼はこのように異常なまでの真剣さを持っていたことだ たとえそれがどんな分野でも 単なる遊びにでも
クビツェク家前
(´・ω・`)「あーやっと着いた…もうクタクタだよ」
彡(゜)(゜)「じゃあま」
J(‘-`)しクビツェク母「あらクビツェクどうしたのその格好」
(´・ω・`)「あ、お母さん 写真館から帰ったんだね」
(´・ω・`)「あ、それからこちらは僕の友達d」
彡(゜)(゜)「私はアドルフ・ヒトラーと申します。いつもクビツェクさんとは楽しく過ごさせています」
(´・ω・`)(うーん?劇場モード それともこっちが素なのかな…?)
J(‘-`)し「これはご丁寧に」
彡(^)(^)「いや〜、まだまだお若いですなぁ!今日写真館の方もきっとよいお仕事をなされたに違いない!」
J(//‘-`//)し「あらお上手!」
- 223:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 18:42:31
- 「生真面目な男」 それがアドルフと短い時間関わった人間が持つ彼の印象だ
彡(゜)(゜)「それでは私はこの辺で。 じゃあまた、クビツェク」
(´・ω・`)「うん、また来週」
彼はキチッとした動作で帰路へたった
J(‘-`)し「おまえの友達はなんて目をしているのでしょう!」
母の言葉には、称賛よりも驚嘆がこもっていた
少年時代のヒトラーの非凡性は、どこに顕著に表れていたか?
それは目に!
彼の低くよく響く声よりも、目に比べればそれは大したことはない
続く
- 224:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 19:05:50
- (´・ω・`)(最近、僕はあることを調べている)
(´・ω・`)(アドルフの家族のこどだ)
(´・ω・`)(アドルフのお父さんは既に他界していた)
(´・ω・`)(前にその事についてかまをかけてみたことがある)
(´・ω・`)「それでさ、僕のお父さんは僕を家具職人にし
たいと思っているんだよ どう思う?」
彡(゜)(゜)「父親ってのは子を縛りつけたがるもんや
ワイの親父もワイを役人にさせようと必死だったんや」
(´・ω・`)「へえ」
彡(゜)(゜)「全く、こっちはいい迷惑やで」
彡(゜)(゜)「あいつの仕事のせいでワイは
オーストリア中を引っ越して回ったんや
一時期バイエルンにいれた時
だけはその事に感謝しとるがな」
彡(゜)(゜)「税関だかなんだか知らんが
ワイやマッマにいつも
高圧的にかかってきよる」
彡(゜)(゜)「学校にいた時は成績やら
なんやらでよく
殴られたもんやで」
彡(゜)(゜)「死んでせいせいしたわ!」
- 225:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 19:08:31
- (´・ω・`)「そ、そうなんだ…」
(´・ω・`)「ねぇ、今度アドルフの家に行っていい?」
彡(゜)(゜)「ん? 別に構へんで」
ヒトラー家
(´・ω・`)「お邪魔します」
彡(゜)(゜)「マッマ、こいつはワイの同志、クビツェクや」
(*^◯^*)「アドルフが友達を連れてくるなんて珍しいんだ!」
(´・ω・`)「こ、こんにちは」
(´゜ω゜`)(おお…この目の大きさ…眼光…アドルフとそっくりだ!)
(´・ω・`)(どうやら、アドルフは母親似で生まれてきたみたいだ)
(´・ω・`)(でも、内面は父親似…これはアドルフに言えないけど…)
(´・ω・`)(アドルフのお母さんは聞いていた通りで明るい人だ)
(´・ω・`)(失礼かもしれないけど、家は僕の予想よりアレだな 小綺麗なアパートの4階… 質素な内装)
彡(゜)(゜)「こっちがワイの部屋やで ついてこいや」ギシギシ
(´・ω・`)「あ、この写真って……」
手入れの行き届いたカイゼル髭が少し怒ったような顔つき
印象的ないかにも役人顔
十中八九、写真に映っているのはアドルフの父だろう
- 226:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 19:10:10
- 彡(゜)(゜)「今日はチビがいないから特別や 一度興奮し始めたら五月蝿くて敵わんからな」
(´・ω・`)「ああ、確か9歳の妹さんだよね」
(´・ω・`)「アドルフの兄弟って妹さんだけ?」
彡(゜)(<)「うーん、いるにはアッネがいるんやが……」
彼にはアンゲラという一応の姉がいた なんでも父アロイス・ヒトラーの前妻の娘らしい つまりは腹違いということになる
彡(>)(<)「そのアッネと結婚したラウバルって奴がエライ腹立つんじゃ」
彡(゜)(゜)「あいつは飲み屋に入り浸って酒、煙草、博打をやるクズや!」
彡(●)(●)「そしてワイを見下す役人や!」
(´・ω・`)「あ〜(君からしたら)役満だね」
彡(●)(●)「更にムカつくことに、あいつはワイを役人にしようとあれこれ口煩く言ってくるんや!」
彡(゜)(゜)「ホンマ腹立つで!」
(´・ω・`)(あー、だからアンゲラさんはヒトラー家に滅多にいないんだ 主にアドルフの怒りが原因で)
キャ…キャ…
彡(゜)(゜)「チビが帰ってきよった! 裏口から逃げるでクビツェク!」
(´・ω・`)「ちょ、待ってよ」
ヒトラー家の家庭事情は色々複雑みたいだけど、僕はアドルフが母を愛してることだけは理解できた
(´・ω・`)「あーあ、オペラが始まるまでアドルフの家で時間を潰す予定だったのに…」
彡(゜)(゜)「すまんな しゃあないからラント通りでも歩こか」
(´・ω・`)「はぁ、そうしようか……ん?」
僕らの歩く前方から長身でスラリとしたブロンドの娘が母親らしき人物と歩いていた
- 227:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 19:10:45
- (´゜ω゜`)「うわぁ…綺麗な人だなぁ…引っ越してきたのかな? きっと良家の出自で仕事の都合でこんな田舎に来たんだろうなぁ」
(´・ω・`)「アドルフはどう思う?」チラッ
彡(・)(・)
(´・ω・`)「え?」
彡(◯)(◯)
(´・ω・`)(ど、瞳孔が開いてる…只でさえ大きい目が更に大きくなってる…)
(´・ω・`)「ね、ねぇ、アドルフ彼女はもう行ったよ…早く元に戻ってよ…」
彡(゜)(゜)「クビツェク、ワイは彼女を愛してるしまったようや」
(´・ω・`)「うん、だろうね お陰で今日買ったオペラのチケットが無駄になったよ」
- 228:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 19:11:39
- 彡(゜)(゜)「調べるで」
(´・ω・`)「え?」
彡(●)(●)「名前!住所!職業!家族構成!全部調べるで!!」
(´・ω・`)(もうこうなったら止まらないな…)
(´▼ω▼`)(あれから3日僕は彼女について聞き出すことに成功した)
(´▼ω▼`)「名前はステファニー 住所はウアファール地区3番地34号 母は未亡人 ウィーンで法律を学んでいる」
彡(゜)(゜)「ほう…して…恋人関係はどや…?」
(´゜ω゜`)「それが…青年士官と…」
彡()()プチッ
- 229:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 19:13:03
- 彡(●)(●)「かあああああ〜!〜!〜!」
彡()()「あんな見栄っ張りの空っぽ人間どもと…糞…糞……ああ〜!!」
彡(゜)(゜)「あ…あ…」
(´゜ω゜`)「ま、まぁ、こんなこともあるって…残念だけど…」
彡(゜)(゜)「いや! ワイは諦めんで!」
彡(゜)(゜)「クビツェク! 今日もラント通りを散歩するで!」
(´・ω・`)「昨日も一昨日も行ったじゃないか…」
彡(゜)(゜)「いいや!今日こそ会えるで!ワイの目力をもってすれば彼女はワイに気づいてくれる筈や!」
(´・ω・`)「僕はそういう意味で君の目を誉めたんじゃないんだけど…あ…」
(´゜ω゜`)(か、彼女だ…! 遂に来た…!)
彡()()「よっしゃ!行くで!」
<(。ε°)>ステファニー「……」スタスタ
彡(◯)(◯) (大丈夫…! きっと気づいてくれる)
( ・`ω・’)キリッ
<(。ε°)>ステファニー「…………」ニコッ
彡()()
(´゜ω゜`)
彡(゜)(゜)「やったやで…!気づいてくれた…! やっぱり前からワイのこと気にかけとったんや…!」
(´・ω・`)「う〜ん、只目が合ったから愛想よくしただけだと思うんだけど…」
彡(゜)(゜)「いいや、ワイには解るで 直感でわかる…! 向こうもそう思っとる筈や!」
彡(゜)(゜)「クビツェク!ワイは次にどうすべきや!?」
(´・ω・`)「う〜ん、まぁ普通ならご両親と会ったりするんじゃない?」
彡()()「そ、それはちょっと早いやろ やっぱもう暫くの間愛を育むで!」
(´・ω・`)「もう好きにしなよ…」
- 230:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 19:19:09
- それから彼は彼なりの愛を表現するべく
努力した時には愛の詩を書き、
僕の前で朗読したりしたまた時には
将来設計について真剣に悩んでいたりもした
(´・ω・`)「僕の調べた情報によるとね、彼女はダンスが好きらしいよ」
彡(゜)(゜)「ダ、ダンス…!?」
(´・ω・`)「これを気にやってみたら? 上流階級の人間にとってダンスは必修科目だよ」
彡(゜)(゜)「いやっ、ダンスなんて無意味で無価値で…とにかく駄目や!」
彡(゜)(゜)「想像してみいや!仮に音楽切った上でなされるダンスパーティーを! あいつらが気が狂ってるってわかるで!」
(´・ω・`)「そんなこといっても仕方ないよアドルフ
彼女はダンスが好きなんだから」
彡(●)(●)「駄目や駄目や!断じて駄目や!
彼女は周囲に付き合わされて無理やりやらされてるだけなんや!」
彡(゜)(゜)「許さへんで士官どもめ…!
ワイがステファニーと結婚したらこんな思いさせんですむようにしたる!」
それから彼はダンスのことばかり考えるようになった
家でもずっとそうらしい
- 231:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 19:21:18
- (*^◯^*#)「アドルフが毎晩ピアノでワルツを弾いてて五月蝿いんだ!なんとかしてほしいんだ!」
(´・ω・`)「暫くほっときましょう」
二週間後
彡(゜)(゜)「クビツェク、ワイは決めたで」
(´・ω・`)「やっと諦める気になったんだね」
彡(゜)(゜)「んな訳ないやろ ワイは…ワイは…」
彡(●)(●)「彼女と駆け落ちするで…!」
(´゜ω゜`)「ゆ、ゆゆゆ、誘拐!?」
彼は極めて詳細に誘拐計画を練っていた 僕の役割も決まっていた
僕が母と話して気を引いている隙に彼が娘を強奪するというのだ
(´・ω・`)「その後、君たち二人さどこで暮らすんだい?」
彡()()「う……」
僕の質問で彼の頭を冷やすことはできた、状況は悪くなっていった
- 232:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 19:21:42
- たまたま彼女の機嫌が悪い時に彼女に視線を送った結果、彼女は明らかに煙たそうにそっぽを向いた
彡()()「ファ!?」
この行為はアドルフを絶望の淵へと追いやった
彡(゜)(゜)「もう耐えられへん! 終わりにするで!」
彡(゜)(゜)「橋からドナウ川に飛び込んだる 勿論、ステファニーも一緒に死ななアカン」
(´゜ω゜`)「アドルフ…」
彡(●)(●)
ここ三週間、彼の頭にはその計画しかなかったようで、僕は恐る恐るそれを見守るしかできなかった
- 233:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:05:38
- それから彼は彼なりの愛を表現するべく努力した
時には愛の詩を書き、僕の前で朗読したりした
また時には将来設計について真剣に悩んでいたりもした
- 234:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:06:19
- 二週間後
彡(゜)(゜)「クビツェク、ワイは決めたで」
(´・ω・`)「やっと諦める気になったんだね」
彡(゜)(゜)「んな訳ないやろ ワイは…ワイは…」
彡(●)(●)「彼女と駆け落ちするで…!」
(´゜ω゜`)「ゆ、ゆゆゆ、誘拐!?」
彼は極めて詳細に誘拐計画を練っていた 僕の役割も決まっていた
僕が母と話して気を引いている隙に彼が娘を強奪するというのだ
(´・ω・`)「その後、君たち二人さどこで暮らすんだい?」
彡()()「う……」
- 235:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:09:41
- 僕の質問で彼の頭を冷やすことはできた
状況は悪くなっていった
たまたま彼女の機嫌が悪い時に彼女に視線を送った結果、彼女は明らかに煙たそうにそっぽを向いた
彡()()「ファ!?」
この行為はアドルフを絶望の淵へと追いやった
彡(゜)(゜)「もう耐えられへん! 終わりにするで!」
彡(゜)(゜)「橋からドナウ川に飛び込んだる 勿論、ステファニーも一緒に死ななアカン」
(´゜ω゜`)「アドルフ…」
彡(●)(●)
- 236:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:10:07
- ここ三週間、彼の頭にはその計画しかなかったようで、僕は恐る恐るそれを見守るしかできなかった
1906年6月
その日は花馬車行列という催しが行われ、僕とアドルフも教会の前でそれを見ていた
(´・ω・`)「前に君が言ってた通り、自然も芸術の一つに違いないね 花と連隊の音楽がよくマッチしてる」
彡(●)(●)「せやな…」
(´・ω・`)「あっ、花の投げ入れが始まったよ! 君の妹さん位の娘もいるね」
彡(●)(●)「せやな…」
(´゜ω゜`)「あっ……見てアドルフ! ステファニーだよ! ステファニーが花馬車から降りてきたよ」
彡(゜)(●)「ファ!? ほ、ホンマや!!」
- 237:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:11:57
- その時のステファニーは赤いヒナゲシ、白いマーガレットに囲まれて最高に魅力的だった
そのうち馬車が僕達の目の前にやって来た その時、ステファニーの明るい眼差しがアドルフに注がれた
彡(゜)(゜)「」
彼女はお祭り気分にふさわしく無邪気に微笑みかけ、花束から花を一本抜いてアドルフに投げた
(´・ω・`)チラッ
(´゜ω゜`)!!!
その時ほど、幸せそうなアドルフの顔を僕は見たことがない
祭り後
彡(;)(;)「やっぱり……やっぱりそうだったんや! 彼女はワイに気があるんや」
(´;ω;`)「うん…うん…気があるかどうかはともかく良かったねアドルフ…」
若きアドルフは市民社会を何よりも嫌っていたが、好きな人と接する際には誰よりもその社会のルールを厳守した
彡(-)(-)「結局、ワイは未だに自己紹介すらできておらん…」
逆に考えれば、ルールを守ることにより一つの事実から自らを守っていたのかもしれない
彡(゜)(゜)「ワイの片思い…なんやろか…」
結局、長期に渡る状況の無変化とウィーンへの移転という時間的にも空間的にも疎遠となった二人の関係は風化するに至った
彡(゜)(゜)「ワイの努力は全部無駄やったんやろか…ワイが考えた二人で暮らす家も…理想も…」
(´・ω・`)「女の人は逃げても芸術は逃げないよ、アドルフ それはいつだって僕らの手の中さ」
彡(-)(-)「せやな…」
しかし、一つだけその夢は叶う その場にステファニーはいなかったが、後にその夢の家はオーバーザルツベルクで実現した
なんにせよ、ステファニーは彼の生涯で最も美しく純粋で豊かな夢だったことは確かだ
- 238:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:13:41
- 彡(゜)(゜)「お前はそれについて全く理解しておらん!」
彡(゜)(゜)「それについてお前に話すことはできん!」
彡(゜)(゜)「政治に関してはクビツェク、お前はマヌケやな!」
彡(゜)(゜)「全く、マッマといいお前といい皆政治に無関心過ぎるで!」
(´・ω;`)(僕達の友情にとって政治はいつも難点だった)
(´・ω・`)(僕は政治のことで自分の意見を全ど持たなかった)
(´・ω・`)(そんな僕を、彼は「ヒトラー教」に改宗させたがっていた)
(´・ω・`)(つまり、この若き民族主義者と同じ意見をもって欲しかったんだ 芸術についての考えと同じように)
彡()()「全く、政治に興味がないなんてしんじられんなぁ。情熱が足らんのか?」
彡(゜)(゜)「だったらワイが政治というものを教えたるで! よし、今日は国会議事堂に行くで!」
(´・ω・`)「ええ〜。僕帰ってピアノの練習したいんだけど…」
彡(゜)(゜)「このままお前を野放しにしてたら将来どうなるかわからん! ええからついてこいや!」
(´・ω・`)「おばさん、アドルフはなんで政治に興味を?」
(*^◯^*)「亡くなったお父さんも政治談義が好きだったんだ!」
(*^◯^*)「いつも居酒屋でゲルマン人についてやらオーストリアの多民族性についてやら話して煙たがられてたそうなんだ!」
(*^◯^*)「でもそれをアドルフに直接言ってる所は見たことがないんだ! きっと似た者同士だったなんだ!」
(*^◯^*)「ま、最近の若者はみんな自分をドイツ人だと思いたいみたいなんだ! アドルフもそんなニュアンスのことを言ってたんだ」
(*^◯^*)「クビツェク君みたい歳でノンポリはむしろ少数派なんだ!だからアドルフもほっとけばじきになおると思うん!」
(´・ω・`)「うーん、そうでしょうか」
- 239:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:14:06
- (´・ω・`)「でさ、最近ヴィオラの先生に言われたんだけど、音楽の時代はイタリアに移り変わってるらしいよ」
彡(゜)(゜)「イタリアぁ〜? イタリアはないで」
(´・ω・`)「ホントドイツ以外の外国に興味がないんだねアドルフは」
彡(゜)(゜)「ワイは死ぬまでドイツ帝国人やからな! 芸術的才能もドイツの為に使うで」
(´・ω・`)「へー、僕は楽器が弾ければどこだっていいや ピアノの先生にこう言ったらユダヤ人みたいだなって言われちゃったよ」
(´・ω・`)「ユダヤ人って言われても僕はあんまりピンと明るいこないんだけど、アドルフはどう思う?」
彡(゜)(゜)「ワイは別になんとも思ってへんで」
(´・ω・`)「あ、そうなんだ」
彡(゜)(゜)「そういえば学校の教師がユダヤ人についてあれこれ言っとったなぁ ワイは寝てたんやけど」
彡(゜)(゜)「ま、不満があるとすればベツレヘム通りのシナゴーグやな あれはリンツにいらん」
この頃、アドルフはそれほど反ユダヤ主義者ではなかった
彡(゜)(゜)「おっ、国会やんけ! チェコ人は消えろや!」
(´・ω・`)「ちょ…」
結局、彼は民族主義者だった 彼は愛した民族のために無条件で献身的に打ち込んだ
彼はただこの民族の中にだけ生きており、他の事は何も知ろうとしなかった
- 240:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:14:31
- 彡(゜)(゜)「あれ、今日やっとらんやんけ!」
(´・ω・`)「ホッ…じゃ帰ろうか」
彡(゜)(゜)「チッ…しゃあないな…ん!?」
(´・ω・`)「今度はなんだよもう…」
彡(゜)(゜)「おっ、宝くじやんけ! 買ったろ!」
彡(゜)(゜)「あら…金がないやんけ…クビツェク!お前半分出せや!」
(´・ω・`)「ええ〜! 只でさえ小遣い少ないのに…」
彡(^)(^)「当たった金でワイらが民族記念館の改修するで! クゥ〜! 夢が広がってきたで!」
(´・ω・`)「国営宝くじなんて初めて買ったよ」
彡(゜)(゜)「邸宅も作るで! 二階にワイのアトリエを作って地下にはクビツェクの音楽室や!」
(´^ω^`)「あっ…いいねぇそれ」
(´・ω・`)(当選発表までの期間は、僕達の友情にとっては最も美しい一時だった)
(´・ω・`)(愛、熱狂、偉大な考え、大胆なアイデア、僕達には何でもあった)
- 241:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:16:18
- (´・ω・`)(ただこれまでは、お金がなかった それが手に入るなら、もう他に何を望むというのだろう)
彡(゜)(゜)「うーんこの邸宅の案はええが費用がかかり過ぎるで」
(´・ω・`)「確かに、これでお金を使いきったらいつものみすぼらしい服で豪邸に住むことになるね」
彡(゜)(゜)「せや! 借家のワンフロアを貸しきって改造するのはどうや!?」
(´・ω・`)「あっ、それ名案だね!」
彡(^)(^)「よっしゃ、場所決めに行くで!」
(´^ω^`)「行こう行こう!」
ーーーーー
(´・ω・`)「うーんこの辺りは周りが家ばかりだね」
彡(゜)(゜)「次や次!」
ーーーーー
(´・ω・`)「ここいいんじゃない? 程よく町を見渡せるよ!」
彡(゜)(゜)「……」
(´・ω・`)「あっ……(察し)」
(´・ω・`)(近所に学校があった…)
(´・ω・`)「ここは学校の通学路があるから芸術活動に支障が生じるね」
彡(゜)(゜)「せやな」
(´・ω・`)「結局…たどり着いたのは…」
彡(゜)(゜)「ここか」
ウアファール地区キルヒェン通り4番にあった33号室
(´・ω・`)「いい場所だね ドナウ川の近郊にこんな家があったなんて」
彡(゜)(゜)「反対側はミュールフィアケル地域の緑の丘陵…ペストリンクベルの眺め…」
彡(^)(^)「最高や!ここに決定やな!」
彡(゜)(゜)「早速忍び込むで!」
- 242:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:17:48
- (´゜ω゜`)「忍び込むなら最も静かにね…」
彡(゜)(゜)「はえ〜!予想以上の眺めや」
(´・ω・`)「うわぁー壁も厚いからピアノ位大丈夫そうだ」
彡(゜)(゜)「早速平面図づくりや!」
彡(゜)(゜)「おっ!ここのフロアにワイの作図机置くで!」
(´・ω・`)「じゃあ僕はこっちの狭い方で こっちの方が音響よさそう」
彡(゜)(゜)「カーテンとその飾りは任せるで! ワイは設置する家具や!」
(´・ω・`)「伊達に家具職人見習いやってないからね、張り切らせて貰うよ!」
(´・ω・`)(僕達は夢中になって作業した)
(´・ω・`)(一等賞の宝くじに当選することを僕達は疑わなかった)
(´・ω・`)(アドルフのおかげで、僕も当選への無条件の確信に目が眩んでもうすぐキルヒェン通りに引っ越す予定でいた)
(´・ω・`)「できた どうだいアドルフ」
彡(゜)(゜)「おお、ええな! 堅実で妥当や! よっ、大将!」
(´・ω・`)「僕は宝くじが当たったら家の手伝いをやめるよ! 音楽の仕事に全力を注ぐんだ」
彡(゜)(゜)「せやな!やめて止めてまえ止めてまえ」
彡(゜)(゜)「たまにウィーンへ行くで! んで劇場に行ったり講義を聴いたりするで!」
彡(゜)(゜)「でも生活スタイルは今と同じや! 上品かつ堅実にいくで! 家政はどっかのバッバでも雇うで」
しかし、そう上手くはいかないものだ
- 243:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:18:24
- 当選日
父「クビツェク、椅子の脚をとっておくれ」
(´・ω・`)「はい父さん」
ガラガラ
父さん「ん、だれだ? 納品日は明後日の筈だが…」
彡(。)(●)「クゥー! ク、ク、クビツェクーーー!!!」
(´゜ω゜`)「ア、アドルフ!!?」
💸
アドルフの手には紙切れとなったくじが握られていた
- 244:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:19:53
- 彡(●)(●)「ンゴォォォォォォォォ!!!!」
彡(。)(●)「人間の騙されやすさにつけ込む国家主導の投機!」
(´;ω;`)(ああ…そうか駄目だったんだね…)
彡()()「善良な市民を食い物にする公然の詐欺!!!」
彡(●)(●)「10!?いや20!?民族の寄せ集めの糞国家が〜〜!!〜〜!!」
実際には、二人の哀れな若者がなけなしの金を騙しとられた、というだけの話だった
彡(●)(●)「ハプスブルク家の婚姻政策から生まれた怪物!!」
アドルフは、自分に非がある、
などとは思いもしなかった。一等を得るのは当然の欲求である、
と思っていた
(´・ω・`)(アドルフは、国営宝くじなどの国家組織を騙されやすさ
当てにするよりも自分自身とその将来を信頼するほうが賢明だと思うようになった)
彡()()「くそ…オーストリアなんて信じたワイが馬鹿だったんや…」
彡()()「はえ〜つっかえ〜 くそ、気分直しに橋のスケッチにでもいくでクビツェク!」
(´・ω・`)「うん、付き合うよ」
父「なんだこいつ…」
- 245:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:22:58
- (´・ω・`)(それから、彼は橋を好むようになった)
(´・ω・`)(ドナウ川を流れる水の上には、何か自由で前に進みたくなる雰囲気があった)
まるで自分がそうでありたいと思うように、自らの国を嫌うこの若き民族主義者は熱心に橋をスケッチしていた
- 246:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:23:51
- 第二部 ウィーンでの体験
(´・ω・`)(1906年の5月から6月にかけて、アドルフはウィーンに滞在していた)
(´・ω・`)(もう言うまでもないけど、アドルフは慣れ親しんではいるけど小市民的なリンツに限界を感じていた)
父「おーいクビツェク、ヒトラー君から絵葉書が届いているぞ」
(´・ω・`)「え、ほんと!?」
『この絵葉書を送るが、
ずっと便りを出さなかったことをすまないと思っている。
僕はとても元気で、今はあちこちを見て回っている。
明日はトリスタンを見に行き、明後日はさまよえるオランダ人という具合だ』
(´・ω・`)「ふむふむ 楽しそうだなぁ」
『全てがとても素晴らしいのだが、僕はもうリンツが恋しい。今日は市立劇場に行く 尊敬するご両親によろしく』
『アドルフ・ヒトラー』
彡(゜)(<)ノ✴︎
- 247:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:24:39
- (・`ω・‘)「んん… きっとこの『リンツ』っていうのはそのままの意味じゃなくて…」
(´-ω-`)「きっと『ステファニー』のことなんだろうなぁ…全くもう」
同じ日の1906年5月に、アドルフは二枚目の絵葉書を出していた
『建物の内部に感動はしない。建物の外面の力強い威厳が芸術の記念碑的厳粛さを
建物に及ぼすのであり、内部ではその威厳よりも感嘆を覚える』
彡(`)(´)キリッ ピャー
『力強い音の波が室内をうねり、風のざわめきが波打つ音のすごい洪水に消え失せるときにこそ、
崇高さを感じ、内装を飾る金やビロードのことはわすれてしまう』
彡(-)(-)
『尊敬するご両親に宜しく』
『アドルフ・ヒトラー』
- 248:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:28:43
- リンツ駅
(´・ω・`)「おかえり、アドルフ」
彡(^)(^)「おおクビツェク! なんか久しぶりに感じるで!」
彡(;)(;)「ホンマによかったでぇーウィーンは! 流石ステファニーを生んだ町や! あそこの建築を見て音楽を聞けばワイも都会人や!」
(´・ω・`)「絵葉書からも十分にその素晴らしさが伝わったよ」
彡(゜)(゜)「クビツェク…ワイは決心したで…」
(´・ω・`)「ああ…やっぱり…」
彡(゜)(゜)「ワイは…ウィーンへ行くで」
ヒトラー家
彡(゜)(゜)「マッマ! ワイはウィーンへ行くで!」
(*^◯^*)「駄目なんだ!」
彡(゜)(゜)「なんでや! 費用はワイが親父から相続した分を使うんやからええやろ!」
(*^◯^*)「そういう頑固なところがお父さんそっくりなんだ!」
(*^◯^*)「それに、知り合いの農夫さんに職の斡旋をたのんでいるんだ!」
彡(゜)(゜)「ファ!?聞いてへんでそんなこと!」
(*^◯^*)「言ったら反対するから黙っていたんだ!」
(*^◯^*)「アドルフ、二年前に実科学校を止めて以来お前はずっとブラブラしていたんだ!」
彡(。)(゜)「ぶっ、ブラブラぁ!? それは聞き捨てならんで! ワイはいつも芸術家になるため努力しとったんや!」
(*^◯^*)「はっきり言うんだ! 芸術家なんて不安定で軽率なものなんだ!」
家の外
(´゜ω゜`)「す、すごい剣幕で言い争ってる クララおばさんのこんな声聞いたことないよ…」
- 249:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:32:02
- 彡(゜)(゜)「何を言っとんじゃ! ワイはちゃんと大学にいって勉強するんや!
学校やぞ学校!! どや!? 学生なら世間体も悪くないやろ!?」
(*^◯^*)「ぐぐ…でもクビツェク君みたいに音楽ならともかく絵なんて…」
(*^◯^*)「それに、ラウバルだって反対だって言ってたんだ!
気違いの沙汰だって言ってたんだ!」
- 250:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:33:04
- 彡(●)(●)「あんな小役人風情に芸術の何がわかるんや!! そうか、あいつがマッマに何か吹き込んだんやな!?」
(´゜ω゜`)「僕の出る幕は無さそうだ…今日のところは帰ろう…」
あくる日 クビツェク家
(´・ω・`;;)「このマットレス、ずいぶん注文が込んでるね…! ぐぐ…」
父「ああ…今日いっぱいはかかるな…」
彡(゜)(゜)「クビツェク」
(´・ω・`)「あ、アドルフ…ごめん、今は少し忙しくて…」
- 251:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:37:02
- 彡(゜)(゜)「明日、出発するで 出来れば一緒に駅まで来てくれや」
(´゜ω゜`)「明日!?随分急だね」
彡(゜)(゜)「そんじゃ、仕事頑張ってな…」
彡(゜)(゜)「叔父さんも、無理をなさらずに頑張って下さい」
父「ありがとう、アドルフ君はいつも礼儀正しいねぇ」
彡(゜)(゜)「ほな…また…」
夜
(´・ω・`)「やっと終わった…!アドルフの家に行ってみよう…」
(´・ω・`)「ごめんください」
(*^◯^*)「クビツェク君なんだ!アドルフはいないんだ!」
(´・ω・`)「はぁ、そうですか…あの…」
(*^◯^*)「ウィーンへの引っ越しのことなんだ?」
(´・ω・`)「えっ、あ、はい…」
(*^◯^*)「アドルフは実科学校できちんと勉強していたら、
今頃高卒資格を得ていた筈なんだ!」
(*^◯^*)「大急ぎでウィーンへ行って何になるんだ!
画家になっても、得るものはないし、
歴史物語を書いても、1クローネにもならないんだ!」
(*^◯^*)「もうアドルフを助けてやることはできないんだ!
アドルフだけじゃなく、パウラもいるんだ!」
(´・ω・`)「妹さん、体が弱いんでしたね」
(*^◯^*)「アドルフはそんなことお構い無しなんだ!
まるで世界に自分一人しかいないかのように、自分の道を進むんだ!」
(*^◯^*)「うぐ…」
(´・ω・`)「お、おばさん!?」
(*^◯^*)「最近はもう…駄目なんだ あのお星さまに顔が見えるんだ…!」
- 252:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:37:48
- (´・ω・`)「し、しっかり…!」
(*^◯^*)「クビツェク君…アドルフが自力のを見る前に、この体は駄目になるんだ…!」
(*^◯^*)「アドルフは孤独なんだ…! だから一瞬いてやってほしいんだ…!」
(´・ω・`)「おばさん…」
翌日 駅
- 253:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:38:50
- 彡(゜)(゜)「もうマッマは一切反対せん ワイは行くで」
(´・ω・`)「あれ、クララおばさんは?」
彡(゜)(゜)「親が子を見送るなんて恥ずいやろ!」
(´・ω・`)「そっか…」
彡(゜)(゜)「あいつだって…あの糞親父だってウィーンへ
行かなかったら一生靴職人でマッマとも結婚できなかったんや
ワイだってできるで…!」
彡(゜)(゜)「だからクビツェク! お前もこいや!」
(´・ω・`)「ははっ、またまた…」
彡(゜)(゜)「クビツェク! これはいつもの冗談やない!
本気や!お前が望まんと一生そのままやぞ!」
(´・ω・`)「うっ……!」
- 254:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:40:19
- 誰か見てる?|ω・`)
- 255:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:42:40
- 彡(-)(-)「ワイは知っとるんやで、
お前がワイに及ばずとも努力していることを…
オペラに行く回数を減らして家庭教師を呼び、詩を読んだり…」
彡(゜)(゜)「後はお前が勇気をだすだけや!
そしたらワイも全力でやれることをやらせてもらうで!」
(´・ω・`)「アドルフ…」
彡(゜)(゜)「せやから、来い!クビツェク!」
ポーッポーシュッポー
彡(-)(-)「…ほな…またな…待ってるで…」
- 256:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:43:33
- (´-ω-`)「……」
(´・ω・`)「……!」
クビツェク家
父「クビツェク… そうか、ヒトラー君は行ったか」
(´・ω・`)「父さん…僕…」
父「皆まで言うな お前の頑張りはヒトラー君から聞いてる
お前のやりたいこともな」
(´;ω<`)(アドルフ…あんなこと言って、もうやることやってるんじゃないか…!)
父「仕事がないときはなるべく家を避けていたお前が
親友を見送った後すぐここに来た…! それだけでもう私は理解した」
(´;ω;`)「父さん…! じゃあ…!」
父「ああ…ただし後一年の修行を終えてだ 勿論音大の受験勉強と平行でな」
- 257:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:45:23
- (つω;`)「うん…うん…やるよ…勿論やるよ…!」
ウィーン
『アドルフへ 君のおかげで、父さんの許可が貰えたよ
宝くじの夢は叶わなかったけど、同居して二人、
ウィーンで学生生活を送る夢は果たせそうだね』
(´・ω・`)
『あと一年で、君に追い付くよ それまで、抜け駆けして有名になったりしてちゃ駄目だからね』
(´・ω<`)✴︎
『アウグスト・クビツェク』
彡(゜)(゜)「ふふふ、やりおった、やりおったであいつ! 全てはワイの計画通りや!」
彡(゜)(゜)「だが悪いな、クビツェク! ワイはお前を待つつもりはないで!
必死にワイの芸術家人生に喰らいついてくるで!」
「大松造形美術大学」
彡(゜)(゜)「この美大からワイのそれは始まるんや!」
彡(^)(^)「ほな、行くで!」
1907年10月
とある市場
(´・ω・`)(アドルフがウィーンへ行って数ヶ月たった)
(´・ω・`)(僕はヴィオラの交響楽団、弦楽合奏団に入り特訓の日々を重ねている)
(*^◯^*)「あ、クビツェク君なんだ!」
- 258:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:46:19
- (´・ω・`)「あ、おばさん 元気そうでなによりです」
(*^◯^*)「ありがとうなんだ!」
(*^◯^*)「アドルフは上手くやっているそうなんだ!
ただ、何について勉強しているのかわからないんだ! きっと忙しいんだ!」
(´・ω・`)「ええ、そうらしいですね」
(´・ω・`)(実は僕との文通でも政治やステファニーのことばっかりで
不思議と勉強のことは書かれてないんだよね)
- 259:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:46:56
- 翌日
父「こ、これは…」
(´゜ω゜`)「はえ〜」
注文書にはベットが50床とあった 新築された婦人科病棟のためだ
空いてる時間は全て音楽の勉強に費やした こうして数週間の間、楽団と家だけを往復する日々が続いた
11月後半 ヒトラー家
(´・ω・`)「おばさん、暫く顔見せられなくてすいません」
(* ◯ *)「だ、誰…なんだ……」
(´゜ω゜`)「お、おばさん!?」
数週間ぶりに見た彼女の顔は枯れ果て、弱りきっていた
- 260:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:48:20
- (´・ω・`)(一体どうすれば…)
(´・ω・`)(小さな妹さんは毎日学校、
確かアドルフの義理の姉さんは妊娠中
その夫のラウバルもアドルフのウィーン行きの件で不機嫌らしいし…)
(´・ω・`)「入院…」
(* ◯ *)「お医者さんにもそう薦められたんだ…」
結局、様々な理由が重なりアドルフへ手紙が送られることとなった
(´・ω・`)「ってことなんだよ…どうにかならないかな?」
母はクララおばさんとは面識がなかったが時々
おばさんの様子を見に行くことを進んで引き受けてくれた
しかし、父が反対した
父「頼まれてもないのに援助をするのは無作法にあたる」
(´・ω・`)「…」
- 261:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:49:52
- 翌日
(´・ω・`)(よし、次はマットレスに詰め物をして…)
彡(゜)(゜)ガチャ
(´・ω・`)「アドルフ、帰っt」
彡(゜)(゜)「医者は不治の病や言うとった」
アドルフの口から出たのはこれだけだった
彼の顔は透き通りそうなほど青白く、目はくもり、声はしわがれていた
彡(゜)(;)「不治の病てなんや? 不治やない、
医者に治す能力がないだけや マッマはまだ47やぞ」
彡()()「医者はどうしていいかわからないから不治の病なんて言い出すんや」
(´・ω・`)(身近に起こったことを何でも問題視するのは、彼のいつもの癖だ)
(´-ω-`)(でも、こんな風に話したのは初めてだな…)
(´・ω・`)「僕に何かできることはある?」
彡(-)(-)「……」
彡(゜)(゜)「マッマの面倒を見るために、ワイは暫くリンツにいる」
(´・ω・`)「大学はいいの?」
彡()()「……」
彡(゜)(゜)「だ、大学は毎日行かなくてもええんやで それに、今はマッマの方を優先せな」
- 262:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:51:50
- (´-ω-`)「そうだよね…無粋なこと聞いてごめん」
(´・ω・`)「そういえば、君に家事なんてできるの?」
彡(゜)(゜)「必要になれば、何でもできるもんや」
翌週
(´・ω・`)(アドルフはああ言ってたけど、
家事を単調で退屈な作業だって見下していたアドルフにできるのかな…?)
(´-ω-`)「無理だろうなぁ きっと三日坊主…」
ヒトラー家
(´・ω・`)「お邪魔します」
(´・ω・`)「あれ、誰もいない」キョロキョロ
「クビツェク、下や」
(´゜ω゜`)「ア、アドルフ…床にひざ立ててなにしてるの…?」
彡(゜)(゜)「ファ? 掃除に決まっとるやろ 見てわからんか」
(´゜ω゜`)(嘘…あの、あのアドルフがエプロン着けて床を磨いてる)
(* ◯^*)「あはは、クビツェク君驚いてるんだ! 無理はないんだ!」
(* ◯^*)「でもご覧の通り、アドルフは何でもできるんだ!」
彡(゜)(゜)「全く、人をなんだと思っとるんや…」
(´・ω・`)(アドルフは別人のようになっていた)
彡(゜)(゜)「今日は野菜でなんか作るで」
- 263:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:52:57
- (´・ω・`)(アドルフは別人のようになっていた)
(´・ω・`)(いつも彼が夢中になっている問題やアイデアは、もう出てこなかった)
(´・ω・`)(政治のことは勿論、芸術への興味すら、ほとんど失せているようだった)
(´・ω・`)(僕達は三年以上も密接で二人だけの友情を保っていて、隠し事は一切なかった)
(´・ω・`)(アドルフは、本当に別人みたいになっていた)
(´・ω・`)(クララおばさんの状態は良くなっていった)
(´・ω・`)(やっぱり、息子がそばにいることが病状にいい影響をもたらしたのかも)
- 264:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:53:12
- (* ◯^*)「…」
彡(゜)(゜)「ほい」
(´・ω・`)(アドルフはおばさんの目からやりたいことを読み取り、心から愛情を込めて世話していた)
(´・ω・`)(僕は自分の目と耳を疑いたくなったほどだ)
(´・ω・`)(この日々の間の彼は完全に自分のことを忘れて、母への献身的な世話だけに生きていた)
- 265:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:53:31
- (´・ω・`)(僕は自分の目と耳を疑いたくなったほどだ)
(´・ω・`)(この日々の間の彼は完全に自分のことを忘れて、母への献身的な世話だけに生きていた)
(´・ω・`)(あ、雪だ…)
(´-ω-`)(アドルフにとって、今年のクリスマスはいいものになりそうにないな…)
(´・ω・`)「それでは、僕はこの辺で…」
(* ◯^*)「……」
(´・ω・`)「アドルフー!? 聞こえてるかーい!?」
- 266:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:53:58
- 彡(゜)(゜)「屋根裏からでも聞こえるでー! ほななー」
(´・ω・`)「それでは、お大事に…」
(* ◯^*)「クビツェク君」
(´・ω・`)「はい」
(*^◯^*)「アドルフにとって良い友達のままでいてほしいんだ!あの子はひとりぼっちになっていまうからなんだ!」
(´;ω;`)「はい……」
僕は目に涙をためながら約束して、帰った
12月20日の夕方のことだ
翌日 午後 クビツェク家
彡()()「」ガチャ
- 267:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:54:30
- 彡()()「………」
(´・ω・`)「アドルフ……」
彡()()「夜中にマッマが死んだ」
( ω ヽ`)
埋葬は12月23日に行われた
小さなパウラはすすり泣き、アドルフは落ち着いていた しかし、彼の大きな目はその悲しみを隠しきるのには些か向いてなかった
- 268:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:55:18
- 明日がクリスマスのためか、葬列は隣人や知り合いのみでみすぼらしさが感じられた
クララ・ヒトラーは夫アロイス・ヒトラーの墓の隣りに埋葬された
翌日 クビツェク家
母「こういう時こそ、家族と皆でクリスマスを平穏に過ごすのがよいでしょう」
彡()()「そうですね」
彼はそう言ったが別れ際に、彼は無愛想に言った
彡()()「ラウバルの所へは行かへん」
(´・ω・`)「それなら一体どこに行くつもりだい? 今日はクリスマスイブなんだよ」
(´・ω・`)「僕の家で一緒にどうだい」
彡()()「ありがたいが、遠慮しとくで」
彡()()「ワイは…」
- 269:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:55:44
- 彡(゜)(<)「たぶん、ステファニーのところへ行くで!」
(´・ω・`)(彼はステファニーのところ、つまり夢の中へ向かった)
後に彼はクリスマスイブについて、何時間も外にいた、とだけ話してくれた 朝方になってようやく家に戻り、眠ったそうだ
何を考え、感じ、悩んでいたかは、話してくれなかった
1908年 2月
ウィーン駅
ざわ…
ざわ…
(´゜ω゜`)「あう…あう…」
「どけ」
(´・ω・`)「す、すいません…」
「邪魔だ」 「FackYou🖕」
- 270:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:56:49
- (´゜ω゜`)「あわわわ」
(´;ω;`)(か…帰りたい…)
(´;ω;`)(アドルフは一体どこにいるんだろう…)
彡(゜)(゜)「おーいクビツェク、ここやー!」
(´;ω;`)「アドルフ! ああよかった…一生ここをさまよい続けるのかと思ったよ…」
彡(゜)(゜)「おおげさやで 全く相変わらずやなぁ」
(´・ω・`)「そういう君はすっかり都会に馴染んでるみたいだね」
(´・ω・`)(混じりっ気ないグレーの冬用コート、
グレーの帽子、象牙の握りのついたステッキ…
こっちでも相変わらず服装はキチッとしてるなぁ)
彡(゜)(゜)「トランクでか杉ィ! 完全なお上りさんやんけ!」
(´・ω・`)「はは…母さんが色んなもの詰めこんでさ」
ざわ… ざわ…
彡(゜)(゜)「とりあえずこッから出るで 五月蝿くてかなわんわ」
(´-ω-`)「うん、ぜひともそうしたいね…」
彡(゜)(゜)「ほないくで」
- 271:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:57:36
- (´・ω・`)(まず僕達はアドルフの家に向かうことにした 取り敢えず二人で住む部屋を見つけるまでの拠点だ)
(´・ω・`)(そして歩くこと数十分)
彡(゜)(゜)「ここが今ワイの住んでるところや」
(´゜ω゜`)「あれ…予想以上に綺麗なところだね…」
彡(゜)(゜)「表向きだけや」ガチャ
(´>ω<`)「うわっ、石油くさっ!!」
彡(゜)(゜)「大家は留守みたいや」
(´・ω・`)(アドルフの部屋はテーブルにも、
ベッドにも、いたるところにスケッチがあった)
(´・ω・`)(とにかく、全てが粗末で荒れ果てていた)
彡(゜)(゜)「まっ、少し休憩しようや」
(´・ω・`)「食料も沢山持ってきたよ」
彡(゜)(゜)「お、おばさんGJやで」
- 272:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:58:32
- (´・ω・`)「まずはジャガイモのパンケーキ」
彡(^)(^)「ドイツの家庭料理の代表格やな!」パクー
彡(>)(<)「あ〜甘さが抑えてあった塩味が染みとる
マッマが作ってくれたのを思い出すで〜」
(´・ω・`)「だから肉料理にも合うんだよね はいローストポーク」
彡(゜)(゜)「肉食うの久しぶりや! あ〜この歯応えとパンケーキのふっくら感がええな」
(´・ω・`)「はい次はブフテルン菓子 バニラソースをかけてね」
彡(^)(^)「お、ワイの好物やん 覚えとったんか」モグー
彡(-)(-)「この甘み…食感…チェコ生まれのものとは信じられん… 美味や」
彡(゜)(゜)「流石、まだ母親がいるだけあるな!」
(´・ω・`)(そらから、僕達は王様のようにたらふく食べた)
彡(゜)(゜)「家庭の味に、そしてクビツェクのウィーン進出に乾杯や!」
(´・ω・`)「かんぱーい」カツーン
- 273:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 20:59:28
- 彡(゜)(゜)「そういえば、ステファニーは今どうしてるんや」
(´・ω・`)「……」
彡()()「貴様…任務を怠ったな…」
(´・ω<`)⌒✨
彡(゜)(゜)「ちっ、自分で出かけるべきやったで」
夕方
彡(゜)(゜)「クビツェク、宮廷劇場にいくで!」
(´・ω・`)「ええ…今日はもう休みたいんだけど…」
彡(゜)(゜)「ウィーンに来て、宮廷劇場も見ずに眠れるわけないやろ ほな行くで!」
(´・ω-`)(うーんこの感じもひさびさだなぁ)ムニャポ
宮廷劇場前
- 274:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 21:00:14
- (´゜ω゜`)「おお、ホールからもうリンツのとは比べ物にならないや…」
彡(゜)(゜)「大理石の欄干、ビロードの絨毯、金色に化粧された天井… 大都市がなせる技や」
(´・ω・`)(それから、僕達は教会、聖堂、塔など、大都市の豪華絢爛な建物を見て回った)
(´゜ω゜`)(リンツのものとは何もかもが桁違いで、僕はまるで別の惑星に連れてこられた気がした)
彡(゜)(゜)
(´・ω・`)「このエイリアンに…フフ…」
彡(●)(●)「この先に普墺戦争時代の収容所があるんや…ぶちんこんだろか…?」
(´・ω#`)(こうして僕達は帰宅した その頃にはもう真夜中で管理人さんにチップを払う必要があった)
彡(゜)(゜)「ちっ、足下見おって…」
アドルフの部屋
彡(゜)(゜)「でな、クビツェク、ケルントナー通りの風景は…」
(´-ω-`)「うん…うん…」z
彡(゜)(゜)「ちっ、疲れ果てて寝おった 相変わらず貧弱な奴やで」
(´-ω-`)(気づけば、眠っていた)
(´-ω-`)(でも、この日はあまりに色々なことがありすぎた)
(´-ω-`)(家族との別れ、列車の旅、到着、喧騒、雑踏、裏路地、宮廷劇場)
- 275:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 21:00:53
- (´-ω-`)(明日からは、新しい部屋探し それもピアノを弾けるところじゃいけないから大変そ…)
こうして、ウィーンでの初日は終わった
翌日
(´・ω・`)「うーん、やっぱりピアノを置いていいかって聞くとどこからも苦い顔されるね」
彡(゜)(゜)「まっ、当然やな」
彡(゜)(゜)「それに音楽家の部屋探しなんて駄目で元々や 根気強くいくで」
(´・ω・`)「うん、そうだね」
ーーーーー
ーーー
ー
(´;ω;`)「まずいよ…もう夕方だ 今日中に決めて明日音楽院に受験する予定だったのに…」
彡(゜)(゜)「しゃあないな…奥の手や 着いてこいや」
(´・ω・`)「?」
アドルフの借家前
(´・ω・`)「結局帰ってきただけじゃないか…」
彡(゜)(゜)「なぁに、お前は部屋で待っとれ」
- 276:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 21:01:39
- (´・ω・`)「一体どうするつもりなんだろ…」
彡(゜)(゜)「大家と話がまとまったで! ここを引き払って二階の大きい部屋に移ることになったで ピアノもOKや!」
(´゜ω゜`)「ここの上!?」
彡(゜)(゜)「だから最後の手段言うたやろ 南京虫はいるが20クローネとお得やぞ」
(´・ω・`)「うん…そうだね…贅沢は言えないね」
こうして、元々アドルフが借りていた借家の二階の広いスペースが僕とアドルフの城となった
翌日
(´・ω・`)「じゃ、僕は音楽院の受験に行くよ」
彡(^)(^)「おう!頑張るんやで」
バタン
- 277:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 21:02:30
- 彡(゜)(゜)「……」
(´・ω・`)(受験はすぐに受けることができた)
(´・ω・`)(一般的な音楽の試験、その次は歌…そして和声学の筆記試験…)
(´・ω・`)(僕は音楽史については独学だったから少しそこが不安だった)
校長「受験生番号334番アウグスト・クビツェク君…」
(´・ω・`)ドキドキ
校長「おめでとう、合格だ」
(´^ω^`)「あ、ありがとうござます! ありがとうございます!」
(´・ω・`)(それからはもう、致せりつくせりなカリキュラムの説明がされた)
(´・ω・`)(プロの指揮者を紹介され、その人の下で総譜の研究や指揮を学べることになった)
(´・ω・`)(そして、僕はヴィオラ奏者として学内オーケストラにもいれてもらえた)
(´・ω・`)(ウィーンにきた当初は混乱したけど、今や僕はしっかりした地歩を固めることができた)
- 278:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 21:03:58
- (´ ω `)(これまで僕は音楽の中に慰めと活力を見いだしていた)
(´・ω・`)(でもこれからは、音楽が僕の人生の中心になるんだ!)
(´・ω・`)(ついに、僕は椅子張り職人の埃っぽい仕事場から解放されて、
音楽に生きることができるようになった)
(´^ω^`)
アドルフ…今すぐこのことを君に知らせたいよ
これでようやく、僕も君と同じ芸術家の登龍門に立ったんだよ…!
その頃
彡(゜)(゜)「さて…一年ぶりやな」
【大松造形美術大学】
彡(゜)(゜)
ー
ーーー
ーーーーー
一年前
教授松「受験番号334番、アドルフ・ヒトラー君」
彡(゜)(゜)「はいやで」
彡(^)(^)(これは主席合格確定やろなぁ…www)
教授松「不合格だぞ」
彡(゜)(゜)「ファ!!? なんでや!!」
- 279:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 21:04:30
- 教授松「人物画が提出されてないぞ 合格させる訳にはいかないぞ」
彡(゜)(゜)「で、でも…その分は風景画の出来で補えるやろ…もっかいキチンと見てや…」
教授松「……」
教授松「正直こっちも微妙だぞ」
彡()()「ほげっ……」
ーーーーー
ーーー
ー
現在
彡(゜)(゜)「今度はちゃんと人物画も持ってきたで…」
彡(-)(-)「ぬかりはない筈や…だから頼む…頼むで…」
教授松「不合格だぞ」
彡(●)(●)「な、ななな、何でや!!!?
ちゃんと人物画も提出したやろ!!」
- 280:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 21:05:41
- 教授松「単純に実力不足だぞ」
彡()()「な…」
彡(゜)(゜)「た……頼む……空気読んでくれや……親友が来たんや……
今年合格せな……ワイは……ワイは……」
教授松「知らないぞ」
彡()()「ほげっ……」
教授松「代わりにといっては何だが一つ助言だぞ
この風景画を見るに、お前は建築家向きだぞ」
彡(゜)(゜)「建築家……?」
彡(゜)(゜)「せや…確かにそうや ワイは芸術も好きやが建築も好きなんや
何より都市の設計を想像するのも好きなんや…なんで今まで気付かんかったんやろ…」
教授松「わかったなら帰るんだぞ 次」
彡()()「くっ…」
教授松「受験番号335番エゴン・シーレ君、合格だぞ」
彡(゜)(゜)「ファ!!? こいつの訳わからん絵が合格ゥ!? 」
教授松「シーレ君は天才的な現代芸術を書くんだぞ ドラフト1位だぞ」
- 281:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 21:06:38
- 彡(●)(●)「現代ィ!? こんなものが……
こんなものよりワイの絵の方が下なんか!!? こんな……退廃的な…」
教授松「いい加減にするんだぞ」
彡(●)(●)「ええんか!? 芸術家になれんかったワイが
グレて犯罪者になってもお前の責任やぞ!!!!」
教授松「こいつをつまみ出すんだぞ」
彡(●)(●)「ふざけんな!!!
こんな美大なんざぁこっちから願い下げじゃボケェ!!!この糞教授死ねぇ!! 」
裏路地
彡()()「くそ…くそ…」
彡(゜)(゜)「いや、…あんな美大入っても録なもんやないやろ…
それに、建築家いう新しい目標も出来たやんけ」
- 282:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 21:07:46
- 彡(^)(^)「早速、建築学科について調べるで」
彡()()「す、数学の知識…!? こ、こ、高卒資格が必要……!?」
もあもあ
ー
ーー
ーーー
(*^◯^*) 『アドルフ、実科学校だけは卒業しとくんだ!』
彡(゜)(゜)『ふん、あんな馬鹿どもと一緒にいても馬鹿が移るだけや』
(*^◯^*)『高卒資格は、これから絶対に必要になるんだ! 言うことを聞くんだ!』
彡(゜)(゜)『んなもん必要ない ワイは芸術家になるんや! 芸術家に高卒資格なんて不要や!』
ーーー
ーー
ー
もあもあ
- 283:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 21:08:03
- 彡()()「ワイは…なんて…取り返しのつかないことを…」
彡()()「ワイは…落ちこぼれたんか…? ワイは… ワイは…」
彡(●)(●)「ンゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!」
夜 アドルフ・クビツェクの借家
彡()()「」ガチャ
(´・ω・`)「アドルフ、遅かったね! どこ行ってたんだい」
彡()()「ああ…少し……な 音大の受験どやった?」
(´^ω^`)「ふふふ…バッチリ合格さ! これで二人でとも学生の身分だね!」
- 284:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 21:08:22
- 彡()()「おお…よかったやないか ホンマに…ホンマに…」
(´^ω^`)「うん…うん それでね、今までは、『音楽家』っていうやや曖昧な夢だったんだけど、今日明確に僕の夢が定まったよ!」
彡()()「ほう…なんや…? 聞かせてや」
(´^ω^`)「笑わないで聞いてよ…? 僕は…指揮者になろうと思うんだ!」
彡()()「指揮者… そら大胆に出たなぁ」
(´^ω^`)「うん 紹介された先生が素晴らしい人でさ」
彡()()ピクッ「先生…?」
(´^ω^`)「うん! 普段は大学で教鞭をとってて、講演の際は指揮者を務めてる凄い人なんだ!」
彡()()ピクッ「…教授?」
- 285:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 21:08:49
- (´^ω^`)「うん! レールに落ちないように頑張らなきゃ」
彡()()ピクッ「レール…」
彡(●)(●)「ンゴ…!!!」
(´^ω^`)
彡(●)(●)「」
彡()()
彡(-)(-)「……」
彡(゜)(゜)「せやな、しっかり勉強せなアカンな 後悔しないように頑張るんやぞ」
(´・ω・`)「? うん!!勿論さ!!」
彡(^)(^)「さ、今日はクビツェクの合格祝いや! ジャンジャン飲むで!」
(´^ω^`)「飲もう飲もう!」
- 286:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 21:09:09
- この時、僕は合格の嬉しさの余り、アドルフの心境に気付くことができなかった 今思えば、親友として恥ずべきことだと思う
(´・ω・`)「ここにグランドピアノを置きたいんだけど…」
彡(゜)(゜)「おいおい、ワイを音楽家にするつもりかいな? もっと奥に置けるやろ」
(´・ω・`)「はは、アドルフは部屋中を歩き回るのが癖だからなぁ」
アドルフが美大に落ちたという事実を察するのに、それほど時間はようしなかった
彡(゜)(゜)「まっ、その位はええ ピアノによってワイの知識欲も活発になるってもんや」
彡(^)(^)「よっしゃ、もう一回乾杯や」
(´^ω^`)『かんぱーい!』彡(^)(^)
その頃には、アドルフは美大を諦め、建築家になるための独学を始めていた
なんにせよ、こうしてウィーンでの共同生活は始まった
ウィーンでの生活が始まって2ヶ月目のある日
朝6時
(´・ω-`)゜゜「ふあぁーあ さて、大学に行くか」
彡(-)(-)「ンゴー ンゴー」
(´・ω・`)(そーっと そーっと)ガチャ
- 287:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 21:11:30
- (´・ω・`)(アドルフの朝は遅い 彼はいつも遅くまで建築家の勉強をしたり
読書をしたりして、起きるのはいつも昼頃だ)
(´・ω・`)(対して僕は夜に楽器を弾くわけにもいかないから、
さっさと寝て朝早く学校に行く)
学校
教授「ふむ、君の知識は目に見張るものがあるな」
(´・ω・`)「ありがとうございます」
教授「君になら任せられるかもな…」
(´・ω・`)「?」
教授「実は課外レッスンの仕事の枠があってね 報酬も多くはないが出る
どうだい、やらないか?」
(´^ω^`)「ぜ、是非お願いします!」
(´・ω・`)(僕は音楽院にとても早く馴染むことができた 正当に評価され、優秀だと褒められた)
(´・ω・`)(こうして僕は、満足と幸福に浸りながら元気いっぱいに、
毎朝音楽院に行っている)
借家
(´・ω・`)「来期の時間割はこんなところでいいかな」ペター
彡(゜)(-)「チッ…」
(´・ω・`)(おそらく時間割は、僕の将来の公的な保証書のように見えたのかもしれない)
彡(●)(●)「この大学というやつは! 古くて硬直した時代遅れの役人、
理解不能な官僚、愚かな木っ端役人なんや! 大学なんか全部消し飛べや!」
(´・ω・`)(彼の顔色は死人のように青白く、口元からも血の気が引き、
唇はほとんど真っ白だった)
- 288:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 21:12:40
- (´゜ω゜`)(しかし彼の目は燃えるように輝いていた ぞっとするくらい…)
(´・ω・`)「でも、君が非難する大学の人たちは、やっぱり教授や先生なんだから色々彼らから学べることもあるんじゃない?」
彡(●)(●)「あの連中はワイを認めずに放り出しおった ワイは大学から締め出された…」
(´・ω-`)「……」
- 289:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 21:13:07
- (´・ω・`)「それで、これからどうするんだい?」
彡(●)(●)「どうするんだい、と言ったな?」
(´-ω-`) (きっと、この質問については彼も何度も何度も自分に問いかけたんだろう 他に話せる人だっていなかったんだから…)
彡(゜)(゜)「ワイには本がある! 図書館がある! 大学なんぞ行かなくても建築の勉強はできるんや!」
これが、彼のウィーン生活の指針となった
あくる日 宮殿通り
彡(゜)(゜)「はぁー、この国はホンマ駄目やな」
彡(゜)(゜)「チェコ人、ハンガリー人、スロバキア人、ルーマニア人、クロアチア人、イタリア人……民族の寄せ集め…傲慢な支配者層」
彡(゜)(゜)「愚かや 実に愚かや この間おまえと行った遊園地もなんやあれは! あんなおもちゃでばか騒ぎしおって…」
- 290:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 21:13:24
- (´・ω・`)(僕はそれなりに楽しめたけどね…)
(´・ω・`)「あ、アドルフ、皇帝が馬車に乗って宮殿に入っていくよ!」
彡(゜)(゜)「ほーんで?」
(´・ω・`)「即位60年だから最近は忙しいんだろうね」
彡(゜)(゜)「あーはいはい せやな」
(´・ω・`)「君はつくづく、この国の芸術以外の殆どを嫌ってるね…」
彡(゜)(゜)「なーにが42年の平和を築いた皇帝や 平穏な世界なんてつまらんだけや」
(´・ω・`)「この前ロシアとサムライの国が戦争したじゃない」
彡(゜)(゜)「ゆうてもワイらと関係ないやん さっさと起きへんかなぁー 「一心不乱の大戦争! 」んで世の中の嫌なもん全部吹き飛ばせや」
- 291:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 21:14:08
- (´・ω・`)「今の世の中戦争なんて起こる訳ないじゃん 大学の先生もそう言ってたよ」
彡(゜)(゜)「いいや、近いうち革命的な事件が必ず起こるで! てか起これや!」
(´・ω・`)(戦争が起こったら僕の指揮者の夢も駄目になるんだろうなぁ
ま、戦争起きた時の心配なんて杞憂だよね)
彡(゜)(゜)「大体、この間のボスニア併合で戦争になるとこやったやないか!
あんなもん国が弱ってますって言ってるようなもんやで!
やっぱり教授なんて信用ならんな!」
彡(゜)(゜)「クビツェク、お前も教授やら他人に聞いた話しを
鵜呑みにするんやなくて自分の頭で考えるんやで」
(´・ω-`)「はいはい、解ったよ」
(´・ω・`)(アドルフは、ウィーンでの生活を送るうちに政治への関心を高めていった)
(´・ω・`)(何より彼は『概念』というものを知らなかった)
彡(^)(^)「お、国民公園についたで! ここの英雄広場がパレードをするのに最適なんや!」
- 292:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 21:15:27
- (´・ω・`)「リンツのウアファール地区を思い出すね」
彡(゜)(゜)「せやな… ああ…住むところに関してはあの頃のがよかったな…
また帰ったら南京虫を駆除せな」
(´-ω-`)「それは言わない約束でしょ…」
(´・ω・`)(芸術の話をしていても、いつの間にか政治の話に移り代わってることも多くなった)
彡(゜)(゜)「こんなボロいアパートも、貧民も、
体制もいづれ起こる『革命の嵐』が『理想国家』を誕生させることで払拭されるで」
彡(゜)(゜)「社会改革や それで新しい時代が到来し、劣悪な住宅は取り壊されるんや…」
彡(゜)(゜)「ワイの独学が完了する頃にそれはやってくるんや
その時には正規の資格なんていらない実際の能力だけがものをいう素晴らしい時代が到来するんや」
彡(゜)(゜)「美大の目的は教授どもが自分の地位を脅かすワイの出世を阻むことにあるんや」
- 293:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 21:16:33
- (´・ω・`)(彼は、美大に行くよりも行かない方が自分は進歩することを、
教授たちに示そうとしていた)
(´・ω・`)(僕は思う 教授たちはあっさりアドルフの入学を拒否したけど、
それによって入学させた場合よりも強力な勉強意欲と
エネルギーを彼に与えることになったと)
(´・ω・`)「うーん、でもその独学の期間中どうやって生活するんだい?
かなりの時間がかかるとおもうんだけど」
彡(゜)(゜)「そんなことは親父とマッマの遺族年金と孤児年金が切れてから考えるで」
(´・ω・`)(君の場合は新しい計画や構想に没頭するから
余計に遠回りしそうなんだけどなぁ…)
彡(゜)(゜)「お前はええな 若い婦人に課外レッスンして金稼げるんやからな」
(´・ω・`)「あれは僕の努力じゃないよ 運がよかっただけさ」
(´・ω・`)「それに、僕に君ほどの才能があればとっくに何か副業を探しているよ」
彡(゜)(゜)「ほう…というと?」
- 294:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 21:18:16
- (´・ω・`)「たとえば、アドルフはスケッチができるじゃん
新聞社や出版社でイラストレーターの仕事を探すのはどうだい」
彡(゜)(-)「ワイに対する期待は嬉しいがな、おそらく報道関係のスケッチなら
写真の方がええやろ いくら優秀なイラストレーターでもカメラほど早くは書けん」
(´・ω・`)「じゃ、演劇の批評は? 君はもうその仕事をしてるようなものだし
君の批評を聞くウィーン市民は
僕でなければならない訳じゃないだろう?」
(´・ω・`)「もちろん、過激な発言なんかには気を使う必要はあるけどね」
彡(゜)(゜)「ウィーン市民にはドイツ系のオペラだけやなくて
イタリアやロシアのものも必要やろ」
彡(-)(-)「芸術は、特定の民族から生まれても、民族的な境界には束縛されんのや」
彡(゜)(゜)ギュルギュル
(´・ω・`)「ちょ…アドルフ…公園のど真ん中で脱糞しないでよ…」
彡()()「ワイがそんなことするわけないやろ…なに言うとんのや」
(´・ω・`)「あれ……なんとなくそんな気がしたんだけど」
彡(゜)(゜)「これは腹が空いとるだけや」
(´・ω・`)「君はいつも腹ペコだよね…
僕の母さんの料理を食べて以来パンと
ミルクとバターしか食べてないんじゃない?」
彡(゜)(゜)「飯なんてそれだけで十分や」
(´・ω・`)「僕も甘やかされてきた訳じゃないけど
君の食事内容にはついていけないよ…」
- 295:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 21:19:40
- 彡(゜)(゜)「そろそろ帰るか 浮浪者が多くなってきよった」
(´・ω・`)「そうだね」
彡(゜)(゜)「おっ、図書館やんけ 寄ったろ!」
(´・ω・`)「あれ?君はあっちの図書館を使ってるんじゃなかったっけ?」
彡(゜)(゜)「色んな本を借りられるように3つの図書館の会員になっとるで」
(・ω・`)「そ、そうだったんだ」
借家
彡(゜)(゜)パラパラ
(´・ω・`)「さっきから何を読んでいるんだい?」
彡(゜)(゜)「ル・ボンの『群衆心理』や これは凄いで」
(´゜ω゜`)「また建築と関係ない本読んでるんだね…
どっちかと言うとそれは政治系の本じゃないの?」
彡(゜)(゜)「これからは群衆が中心の世界になるからな 勉強しとかんと」
彡(-)(-)「それに、フランス革命でも暴徒化した
市民にいくつもの建築が破壊されたんや…」
(´・ω・`)「でも、直接建築には関係しないよね…」
彡(゜)(゜)「お前は本当に…なんというか小市民的やなぁ
金や職に関わらん本でも進んで読むべきやぞ」
- 296:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 21:20:44
- (´・ω・`)(このようにアドルフは、ひたすら読書していた
本のない彼を想像することはできないくらいだ)
彡(^)(^)「おお、この本は本当に参考になるなぁ…」
彡(゜)(゜)「クビツェク! お前も愚かな群衆にならんようにこの本を読むんや!
これは世の中の真実やぞ!」
(´・ω・`)「わかったよ…どれどれ」
彡(゜)(゜)「なにしとんねん! なんで目次をとばすんや」
(´・ω・`)「え…どうせ全部読むし…」
彡(゜)(゜)「全く、お前は本の読み方も知らんのやな! ええか、
読書ってのは本を選ぶ時から始まっとるんや」
(´・ω・`)(この点で彼は、平均的な読書家よりも明らかに優れていた)
彡(゜)(゜)「ワイは馬鹿みたいに本を読む奴を知っとる 奴らは本から本へ一字一句読む…」
彡(`)(´)「ワイはそいつらを『博識』とは呼ばん 確かにそいつらは膨大な知識を得るが、
脳はその取り入れた知識を分類整理する方法を知らん」
- 297:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 21:22:26
- 彡(゜)(゜)「一番大事なのは目次なんやで そして、
最初に核心部分から読むんや そしてそこだけを覚えて頭の図書館にしまい込むんや」
(´・ω・`)(彼の読書は、
自分の考えの中の欠けたピースを埋めるためのいわば知識の補完、
つまりは自己確認の意味合いが強かったのかもしてない)
彡(^)(^)「この『群衆心理』は全部が核心や!
そういう本だけ購入して手元に置いとくんや!」
彡(゜)(゜)「つうことで今から本屋に行くで!」
(´・ω・`)「ええ〜」
彡(^)(^)「いやぁ〜こんな本に出会ったんは
『ドイツ英雄伝説』以来かもしれんな! はよ行くで」
彡(^)(^)「♪」テクテク
(´・ω・`)「君は確かに凄い記憶力を持ってるけど、
本当に本だけで勉強を完成させるつもりかい?」
ムキュムキュ
彡(゜)(゜)「ファ!?」
彡(-)(-)ハァー
- 298:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 21:30:31
- 彡(゜)(゜)「とにかくお前には教師が必要みたいやな ワイに教師は余計なだけや」
彡(゜)(゜)「お前みたいなのを他人の机で学ぶ居候っていうんやで」
(´・ω・`)「僕にはよくわからないや」
帰宅後
彡(゜)(゜)「つまり、群衆に理論は通じんで感情が聞くんや」
彡(^)(^)「それみろや、この本の著者もワイと同じ考えや」
彼はよく、読書の後こう言った
内藤 ル・ボンの『群衆心理』は19世紀末の本やが今のネット社会でも十分参考になるで 講談社でててオススメや
- 299:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 21:31:01
- 劇場
彡(^)(^)「やっぱりワーグナーは最高や!」
(´・ω・`)「リンツの劇場でも何回も聞いたけどやっぱり都会でのものとは格が違ってくるね」
彡(゜)(゜)「ワイはいつかドイツ民族の巡礼の地・バイロイトに訪れるで ヴァーンフリート館を見て、ワーグナーの墓参りをするんや…」
彡(^)(^)「そしてワーグナー自身が作った劇場でワーグナーの作品を見るんや! くぅ〜夢が広がるで!」
アドルフの生涯では多くの夢と願望が未完のままに終わったが、この願望だけは完璧に叶った
チラ……チラ…
(´・ω・`)(……ん?)
- 300:内藤 Brigadier General@イカ娘 ★2023/02/01(水) 21:31:51
- チラ……チラ……
(´・ω・`)(向こうの婦人たちがこっちを見てる……?)
(´^ω^`)(もしかして……僕にも春が……)ワクワク
チラ……チラ……
彡(゜)(゜)
(´・ω^`)(……)
(´・ω・`)(違う…この視線はアドルフに向けられたものだ……!)
(´・ω・`)(アドルフは質素な服装で素っ気ない控え目な態度……)
(´・ω・`)(僕と大して変わらないのに……一体どこに差があるんだろう?)
(´・ω・`)(婦人たちは、彼の謎の魅力を感じとっていた)
(´・ω・`)(時には、振り向いて彼を見る婦人すらいた(これは宮廷劇場においてマナー違反)
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